激潮
激潮
名詞
標準
文例 · 用例
即ち「邪宗門」「思ひ出」「東京景物詩」「白金の獨樂」であるが、この中、最後の「白金の獨樂」は、作者自ら言ふ如く一日一夜の急作であつて、いかにインスピレーシヨンの激潮に乘つたとはいへ、藝術として重厚のものとは思へない。
— 萩原朔太郎 『名詩集「思ひ出」の眞價』 青空文庫
二剣、その所をべつにしたが最後、波瀾は激潮を生み、腥風は血雨を降らすとの言い伝えが、まさに讖をなしたのである。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
しかしこの――時代の激潮に恟々している名門の二世を自家の秘室へ呼んで、わざわざその脆弱性を甘えさすような歓待や密語をさずけた家康という者こそ――時人はまだ東海の一若将としかこの頃では注意していなかった風だが――まことに油断のならない存在といわねばならぬ。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
けれど、時代の激潮からこれをいえば、単なるお人よしとよぶだけではすまない愚者といわれても仕方がない。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫