空しい
むなしい
形容詞
標準
文例 · 用例
前者を無視し、または前者と後者との考察の順序を顛倒するにおいては「いき」の把握は単に空しい意図に終るであろう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
そうして、喧しい饒舌や空しい多言は、幻影を実有のごとくに語るのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
砂の上に立てられた三十年の空しい樓閣――それは今跡方もなく一陣の嵐に頽れてしまつた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
…… 絵の藤の幕間で、木は入ったが舞台は空しい。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
其も可からう、何も持たぬ、空しい乏しいものに取つたら、御身達が作り更めると云ふ其の木像でも、無いよりは増しぢや、品に因つて、美しいとも、珍らしいとも思はうも知れぬ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
太郎は三日も四日も空しい努力をして五日目にあきらめた。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
空しい時間が経過して行き、一人の樵夫にも逢わなかった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
プルウストの書いたことを引合ひに出して來れば、「われわれが過去を喚起しようとするのは徒勞であり、われわれの理知のあらゆる努力は空しい。
— 梶井基次郎 『「親近」と「拒絶」』 青空文庫