飄客
ひょうかく
名詞
標準
文例 · 用例
」 罵る長者の声に混って絹を裂くような誰袖の声が飄客の群で賑わっている戸外へまでも響いて行った。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
ただ前の前世の仇は、ともかく首尾よくこの飄客の体の上を、無断通過することに成功したけれど、あとからの前世の敵は、それに成功すべくして途中で意外な魔手にさまたげられたというだけのことでありました。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
飄客 豊田の館へ、帰った晩。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
鹿島の使者孤剣飄客一 この頃江戸の町には奇怪な見世物が流行っていた。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
月 日鹿島の使者孤剣飄客 この筆者が鐘巻自斎であることは云うまでもない。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
」 驚破す、再び、うぐい亭の当夜の嫖客は――渠であった。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
―― 彼は酔っ払った嫖客や、嫖客を呼びとめる女の声の聞こえて来る、往来に面した部屋に一人坐っていた。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
それも江戸の泰平が今絶頂という元禄さ中の仲之町の、ちらりほらりと花の便りが、きのう今日あたりから立ちそめかけた春の宵の五ツ前でしたから、無論|嫖客は出盛り時です。
— 旗本退屈男 『旗本退屈男 第一話』 青空文庫