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清艶

せいえん
名詞
1
標準
文例 · 用例
この菜の花の平野に囲まれた清艶な小都市に、復一は滞在して、いろいろ専門学上の参考になる実地の経験を得たが、特に彼の心に響いたものは、この郡山の金魚は寛永年間にすでに新種を拵えかけていて、以後しばしば秀逸の魚を出しかけた気配が記録によって覗えることである。
岡本かの子 金魚撩乱 青空文庫
早いのは七月の声を聞くと同時に花屋の店頭に清艶な姿を並べ、七月の末ともなれば素人作りのものでも花をつける朝顔を、私達は夏の花と許り考へ勝ちである。
岡本かの子 秋の七草に添へて 青空文庫
姉も妹も並んで一所に額付いた……二人の白羽二重の振袖が、二人がなよやかな首を延べて身をかゞめようとするその拍子に、丸い婢の肩を滑つて、あだかも鶴の翼のやうに左右へ長く開いたのである……人々はこの清艶な有様に唾を呑んだ。
岡本かの子 老主の一時期 青空文庫
片輪の身のあはれさが添つて、以前の美しさに一層|清艶な陰影が添つた。
岡本かの子 老主の一時期 青空文庫
(若き美僧の阿難と清艶な娘とが狂いもつれながら、黒蛇のような毛綱に捲き上げられて行く。
岡本かの子 阿難と呪術師の娘 青空文庫
芍薬を正しく栽培しても牡丹とならず、龍眼は甚だ美しくても茘枝の味はしないのであるが、しかし芍薬は芍薬の清艶、龍眼は龍眼の甘美を為すのである。
幸田露伴 努力論(現代訳) 青空文庫
落ちようとする月が一段明るくなった光の中を、清艶な容姿で、物思いをしながら出て行く源氏を見ては、虎も狼も泣かずにはいられないであろう。
須磨 源氏物語 青空文庫
院もますます清艶な姿におなりあそばされた。
乙女 源氏物語 青空文庫