軋々
軋々
名詞
標準
文例 · 用例
…… 私はな、丸官はんに、軋々と……四角な天窓乗せられて、鶉の仕切も拷問の柱とやら、膝も骨も砕けるほど、辛い苦しい堪え難い、石を抱く責苦に逢うような中でも、身節も弛んで、恍惚するまで視めていた。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
白日も夢見る村の一人の遊び人が、ある日樫の木の下の草地に腰を下して、水車の軋々と廻るを見つゝ聞きつゝ、例の睡るともなく寤むるともなく、此様な問答を聞いた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
言分があるなら、聞こうじゃないか」 云い終って、口角沫を飛ばす様に、水車は水沫を飛ばして、響も高々と軋々と一廻り廻った。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
船頭は軋々と櫓の響をさせて、ほゞ山形に宇治川を渡す。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
愉快という愉快は世に数あれど、つつがなく長の旅より帰りて、旅衣を平生服の着心地よきにかえ、窓外にほゆる夜あらしの音を聞きつつ居間の暖炉に足さしのべて、聞きなれし時計の軋々を聞くは、まったき愉快の一なるべし。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫