癇症
かんしょう
形容動詞
標準
文例 · 用例
「失礼ですが、私は癇症でひとの蒲団に寝るのがいやだから……少し蚤よけの工夫をやるから御免なさい」 三四郎はこんなことを言って、あらかじめ、敷いてある敷布の余っている端を女の寝ている方へ向けてぐるぐる巻きだした。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫
乳液でまんべんなく手の甲を叩いておくだけで、爪は癇症なほど短く剪つて羅紗の裂で磨いて置く。
— 林芙美子 『晩菊』 青空文庫
私は、嬰児の時から癇症で、額に青筋が立つてゐたさうだ。
— 正宗白鳥 『幼少の思ひ出』 青空文庫
頭が禿げたゞけで、癇症はちつとも癒つてゐないのである。
— 正宗白鳥 『幼少の思ひ出』 青空文庫
此家にはどんな癇症の人間が住んでゐるか知らないが、雨戸の上の欄間まで嘗めたやうに拭き込んであるぜ」「どれ、俺に見せろ」 平次は縁側に飛上ると、八五郎に代つて踏臺の上に立ちました。
— 尼が紅 『錢形平次捕物控』 青空文庫
金は馬に喰はせるほど持つてゐるが、恐ろしい癇症で、醜男と女は大嫌ひ、螢澤に浪宅を構へて、男ばかりの世帶。
— 美少年國 『錢形平次捕物控』 青空文庫
――眼の見えないお前に、そんなことが出來るのか」「あの板壁には、大きな割れ目があり、谷五郎親分を揉みに行くと、そこから風が入つて、寒くて弱りました」「谷五郎はあの若さで按摩なんか呼ぶのか」「あの人は癇症で、ひどく肩が凝るさうで時々私が揉みに參ります。
— 敵の娘 『錢形平次捕物控』 青空文庫