御用金
ごようきん
名詞
標準
文例 · 用例
三左 いかに御自分の御知行所でも、定めの他に無體の御用金など怪からぬ儀でござります。
— 岡本綺堂 『箕輪の心中』 青空文庫
無理もないわい」「何を言うにもあの蔵元屋と言うのは、黒田五十五万石の御用金を扱うておる信用第一の店じゃけに、よほど秘密を口禁っとると見えて、イクラ上手に探りを入れても丁稚、飯炊女に到るまで、眼の球を白うするばっかりで、内輪の事と言うたら一口も喋舌り腐らん」「それはその筈じゃ。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
その日田金を日田の材木屋が下請けのようにして、日田の月隈の奉行所に御座る大公儀の御金奉行の監督を受けながら、九州の諸大名の城下城下におる御用金預り……博多で言えば蔵元屋のような主立った商人にソレゾレ貸付ける。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
あの蔵元屋は存じてもおろうが当藩の御用金を扱うておる者じゃけに、何事も大目に見ておったのでな。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
江戸の町人で三万両から一万両までの御用金を命ぜられたものが二十人もあり、全国の寺社までが国恩のために上納金を願い出ることを説諭された。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
新政府が東征軍進発のために立てた予算は当局者以外にだれも知るよしもなかったが、大坂の町人で御用金の命に応じたり、あるいは奮って国恩のために上納金を願い出たりしたもののうわさは、金銭のことにくわしい市民の口に上らずにはいなかったころである。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
何んやの、かやのいうて、人の金を絞り取りよって――」「今度の御用金は、鴻池だけで、十万両やいうやないか。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
あるいは殿様のものずきにて普請をするか、または役人の取り計らいにていらざる事を起こし、無益に金を費やして入用不足すれば、いろいろ言葉を飾りて年貢を増し御用金を言いつけ、これを御国恩に報ゆると言う。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫