分明
ふんみょう異読 ぶんみょう・ぶんめい
形容動詞名詞
標準
clearness
文例 · 用例
詩に就いて云へば幻影も語義も感情を生発せしめる性質のものではないところにもつてきて感情はそれらを無益に引き摺り廻し、イメッジをも語義をも結局不分明にしてしまふ。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
芭蕉における木曾義仲の崇拝や、戦国時代への特殊な歴史的懐古趣味を、一方蕪村の平安朝懐古趣味と比較する時、両者の異なる詩人的気質が、おのずから分明して来るであろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
だんだん、事情が分明して來て、それから、「おい、おい。
— 太宰治 『當選の日』 青空文庫
階段とは言つても、段々が一つづつ分明になつてゐるわけではなく、灰色の鈍く光る小さい珠の敷きつめられたゆるい傾斜の坂のやうなものである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
平生はあるとも見えぬ皺が、分明に出来る。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
お前の口は半分明け放たれ、齒並の奧に白苔の生えた舌が縺れてゐた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
深い霧のなかを影法師のように過ぎてゆく想念がだんだん分明になって来る。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
そんなことがなくてさえ昼頃まで夢をたくさん見ながら寝ている自分には、見た夢と現実とが時どき分明しなくなる悪く疲れた午後の日中があった。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
作例 · 標準
古い戸籍を隅々まで調べた結果、彼がその名家の正当な後継者であることが分明になった。
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事件当時の彼の足取りについては証言が食い違っており、未だに事の真相は分明でない。
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発掘された木簡の文字を赤外線カメラで解析することで、当時の税の徴収システムが分明に読み取れた。
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