生一本
きいっぽん
形容動詞名詞
標準
straight-forwardness
文例 · 用例
芥川君の如く單純で、純粹で、子供らしく生一本の人間がどこにあるか。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
今思へば、そもそもの交情の始めから、彼は何の衒ひも氣取りもなく、純眞生一本の心でもつて、滿腔の熱情を私に向つて打ち明けてたのだ。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
生一本の酒を飲むことの自由自在、孫悟空が雲に乗り霧を起こすがごとき、通力を持っていたもう「富豪」「成功の人」「カーネーギー」「なんとかフェラー」、「実業雑誌の食い物」の諸君にありてはなんでもないでしょう、が、われわれごときにありては、でない、さようでない。
— 国木田独歩 『号外』 青空文庫
それは、余り世間の荒い波風に当らなかったか弱い、あるいは生一本な処女が、家庭を持ってその主婦となり、周囲の煩瑣な事件や境遇にひどくいたぶられた時、それに呼応して起った心内の愛欲苦悶が素直にはけ口を得ずして鬱屈し、これに加えて肉体的の過労や病気がますますヒステリーを引き起す助縁となります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
これは貴方、田舎出来で、沢山甘くはござりませぬが、そのかわり、皮も餡子も、小米と小豆の生一本でござります。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
秋晴の午後、或る町はずれの酒屋で生一本の御馳走になった。
— 種田山頭火 『道〔扉の言葉〕』 青空文庫
生一本、此地方でいはゆる引抜はよかつた、N家の酒はよい酒である、そのよい酒の最もよい酒だ、酔うて蚊帳もつらずに寝たのはあたりまへだらう。
— 仙崎 『行乞記』 青空文庫
純粋の主観、真の雑り気のない、生一本の主観を常に持ってるものは、こうした表現者の詩人でなくして、行為によって生活を創作しようとするところの、他の「詩を作らない詩人」である。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
作例 · 標準
彼は生一本な性格で、裏表がなく、誰からも信頼されている。
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生一本な職人気質が、この店の伝統的な味を守っている。
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彼女の生一本な言動は、時に周囲を戸惑わせることもあるけれど、本心からなので皆許してしまう。
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あの社長は生一本だから、一度決めたことは最後までやり遂げる。
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