慶する
けいする
動詞
標準
文例 · 用例
彼等の脳中よりヒロイツクを描く事の憚りと恐れとを取り去つて、随意に此方面に手を着けしむるの保証と安心とを与へ得たるを慶するものである。
— 夏目漱石 『文芸とヒロイツク』 青空文庫
吾人は彼らの哲学を厳正に弁別しながらも、彼らの精神のうちに哲学者があることを慶するものである。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
慶すべからざる心の状態である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
縁喜でもない」「なに、今の世に坊主になるくらいな決心があるなら、縁喜はともかく、大に慶すべき現象だ」「苛い事を……だって坊さんになるのは、酔興になるんじゃないでしょう」「何とも云えない。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
幸いにして我が国では相当に税は重いとはいいながら、まだまだ個人の営業について、しばしば犠牲を要求するほどに弱いものでないのはお互いに慶すべきことである。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
そこで害毒を流すだろうが、新聞からその論文が消えたことは慶すべし。
— 清澤洌 『暗黒日記』 青空文庫
目がさめて目を開いて彼らが見たところの「国家」さえ事実において善美を尽くしていたならば、彼らの目ざめはむしろ慶すべきことでこそあれ、なんら恐るるに足りないのです。
— 末弘厳太郎 『役人の頭』 青空文庫
――そんな事、どっちでもよし、ただ野生は、兄が剣によってともかく洛陽の人士に一波紋を投げたるを、ひそかに慶す。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫