思い見る
おもいみる異読 おもんみる
動詞-一段多音語
標準
to reflect carefully
文例 · 用例
むらさき色の着物をきて、藤倉の裏をひるがえして、寺の廊下を遠く歩いて去った少女の姿は、私の胸の奥に焚きもののような香を残し、私は彼女を思い見るだけで、もううっとりとなるのであった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
国内のことなればともかくもなれども、いったん外国と戦争などのことあらばその不都合なること思い見るべし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
もっと我々が静かに思い見る事が出来たのだったら、日本語が全く経験のない発想の突発に、驚きのそよぎを立てていたかも知れないのである。
— 折口信夫 『詩語としての日本語』 青空文庫
此は、為恭の日記によると、紀州|根来に隠れて居た時の作物であり、又絵の上端に押した置き式紙の処に書いた歌から見ても、阿弥陀の霊験によって今まで遁れて来た身を、更に救うて頂きたい、という風の熱情を思い見ることが出来る。
— 折口信夫 『山越しの阿弥陀像の画因』 青空文庫
自害往生、焼身往生、入水往生、断食往生等はその門徒に於ても誡め置かれたことであり、余人の行うべき行ではないが、信心の力の奇特は思い見るべきである。
— 中里介山 『法然行伝』 青空文庫
私は二十年前の実験室内の光景を心に描いて、先生の着眼の程を思い見ると同時に、ある種の因縁のようなものを感じた。
— 中谷宇吉郎 『実験室の思い出』 青空文庫
そして私は今更のように、寺田先生が霜柱の研究の重要性を力説して居られたことの意義を思い見るのである。
— 中谷宇吉郎 『凍上の話』 青空文庫
四冬にかけて、冬毎に遠く十勝の雪を思い見る日が続いた。
— 中谷宇吉郎 『雪後記』 青空文庫