慎
しん
名詞
標準
文例 · 用例
慎しく生きてゐるんだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
格別過去や未来を思ふことはしないで、一を一倍しても一が出るやうな現在の中に、慎しく生きてゐるのだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
酒といふ、或る者には不徳の助奏者、或る者には美徳の伴奏者たる金剛液を一つの便り、慎しく生きてゐるのだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
発掘されたポムペイ市街の、蠅も鳴かない夏の午、鋪石や柱に頭を打ちつけ、ベスビオの噴煙を尻目にかけて、死んで沙漠に埋められようとも、随分馬鹿にはならないことなのを、それでもまあ、日本は東京に、慎しく生きてゐるのだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
何か処方せんけれあならんと思つたかした校長は、その五名を放校に、他の十五名を謹慎処分といふことにしました。
— 中原中也 『我邦感傷主義寸感』 青空文庫
山は底鳴りをさせ、地響きを立てながら、要慎深く、慎重に、辷り落ちた。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
ただ、私は、彼らが、人間としてあたり前のことを最小限度に要求する時に当たって、いつでも、その企ては、慎重に秘密にされる習慣を知っている。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
すなわち無益なる空言を慎めとの意である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫