犖
犖
名詞
標準
文例 · 用例
滔々として天地と共に流れている卓犖不覊の大河の流れと知られ、歪めば歪んだなりに直く、切ない痛苦は痛苦のままにして、息詰まるほどの快楽でもございましょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
秉忠は実に奇偉卓犖の僧なり。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
引力によりて相繋纏する物質の力、自由を以て独自|卓犖たる精神の力、この二者が相率ひ、相争ひ、相呼び、相結びて、幾千幾百年の間、一の因より一の果に、一の果より他の因に、転々化し来りたる跡、豈に一朝一夕に動かし去るべけんや。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
古へより卓犖不覊の士、往々にして文章を事とするを喜ばず、文字の賊とならんより心中の文章に甘んじたればならむ。
— 北村透谷 『山庵雑記』 青空文庫
要するに戦争上りのことでもあるから、人気は一般に荒っぽく、不羈卓犖というようなことを尚ぶので、それだけ勉強するものは因循党と見做された。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
これほど卓犖高遠なベートーヴェン魂を把握した演奏は滅多にあるものでない。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
マレシャルと対照すると、その豪宕卓犖な気魄に、ただ茫然とするばかりだ。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫
しかし、その得意とするベートーヴェンの演奏などになると、精緻極まる演奏のうちに、強靱卓犖なナポレオン的な力が漲る。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫