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名詞
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標準
文例 · 用例
他なし、渠はおのが眼の観察の一度達したるところには、たとい糸の孔中といえども一点の懸念をだに遺しおかざるを信ずるによれり。
泉鏡花 夜行巡査 青空文庫
この「ガ」奴が、糸孔中蚊睫の間にも這入りそうなこの眇然たる一小「ガ」奴が、眼の中の星よりも邪魔になり、地平線上に現われた砲車一片の雲よりも畏ろしい。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
脱くと、スウと細く、果はの糸のようになって、此世を離れて暗い無限へ消えて行きそうになる時の儚さ便りなさは、聴いている身も一緒に消えて行きそうで、早く何とかして貰いたいような、もうもう耐らぬ心持になると、消えかけた声が又急に盛返して来て、遂にパッと明るみへ出たような気丈夫な声になる。
二葉亭四迷 平凡 青空文庫
彼が糸歩雲の履を穿き鎖子黄金の甲を着け、東海竜王から奪った一万三千五百|斤の如意金箍棒を揮って闘うところ、天上にも天下にもこれに敵する者がないのである。
―沙門悟浄の手記― 悟浄歎異 青空文庫
昔し阿修羅が帝釈天と戦って敗れたときは、八万四千の眷属を領して糸孔中に入って蔵れたとある。
夏目漱石 一夜 青空文庫
放翁詩話       (一) 呉幾先嘗て言ふ、参寥の詩に五月臨平山下路、花無数満汀洲と云へるも、五月は荷花の盛時に非ず、無数満汀洲と云ふは当らず、と。
その七 ――放翁詩話三十章―― 放翁鑑賞 青空文庫
若人等は、この頃、氏々の御館ですることだと言つて、苑の池の蓮の莖を切つて來ては、絲を引く工夫に、一心になつて居た。
釋迢空 死者の書 青空文庫
ほうほうと切れてしまふ絲を、八|合・十二|合・二十合に縒つて、根氣よく、細い綱の樣にする。
釋迢空 死者の書 青空文庫