辺陲
へんすい
名詞
標準
文例 · 用例
本土を空しく尋ね歩いた後に、辺陲の九州をも探ってみる気になったのである。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
安房は国史にはかなり古いが、徳川氏が江戸を開く以前は中央首都から遠い辺陲の半島であったから極めて歴史に乏しく、したがって漁業地としてのほかは余り認められていない。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
あたかも辺陲不毛の地に移民を送りて開墾を企る政策の如し。
— 永井荷風 『桑中喜語』 青空文庫
森山は自ら責任者として、オホーツク海の見える辺陲の山奥で創業の事にあたっている筈だった。
— 大鹿卓 『金山※話』 青空文庫
印度に古く梵教の外に異類異族の教多かりしは諺になりある程、それに印度邊陲の諸國からトルキスタンや、支那を經て日本へ入る迄に無數雜多の土地の傳説を攝取し居る可れば、委陀やブラナ位い調べた所ろが現存佛教の諸説を解くに足ず。
— 南方熊楠 『再び毘沙門に就て』 青空文庫
又當時七萬餘戸を有する程の大國は、之を邊陲の筑紫に求めんよりも、之を王畿の大和に求めん方穩當なるに似たり。
— 内藤湖南 『卑彌呼考』 青空文庫
扨て此連中の大部分は、何か己に利する所あらむと欲して、遠路を厭はず奧州くんだりまで下向した者共で、必しも邊陲の開拓を思ひ立ち、それが爲に奇特にも態々出張したのではない。
— 原勝郎 『日本史上の奧州』 青空文庫