銘酒屋
めいしゅや
名詞
標準
brothel (masked as a seller of high-quality sake)
文例 · 用例
この付近に銘酒屋や矢場のあったことは、均平もそのころ薄々思い出せたのだが、彼も読んだことのある一葉という小説家が晩年をそこに過ごし、銘酒屋を題材にして『濁り江』という抒情的な傑作を書いたのも、それから十年も前の日清戦争の少し後のことであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
そんな銘酒屋のなかには、この創始時代の三業に加入したものもあり、空地のほとりにあった荷馬車屋の娘が俄作りの芸者になったりした。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
昔は、ここは所謂銘酒屋のやうなものが、ずいぶん発達したところではあるまいかと思はれる。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
また臭き花屋敷の側に腐れつつ暗みゆく溝の青さは夜もふけて銘酒屋の硝子うち覗くかなしき男のみや知りぬらん。
— 北原白秋 『浅草哀歌』 青空文庫
矢場や銘酒屋を許可しながら、湯屋の二階だけを禁止するのは不公平だという議論もあったが、湯屋が本業である以上、副業の二階を禁じられても公然の反対は出来なかったので、湯屋の二階はここに亡び、「湯屋の姐さん」という名称も消滅した。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
それは近ごろ矢場というものがすっかり廃れて、それが銘酒屋や新聞縦覧所に変ってしまったという噂が出たときのことである。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
それは――M市の場末に近い「あづま」と呼ぶ土工相手の銘酒屋の女将が、夜に入って、銭湯へ出掛けようとして店の縄暖簾を分けあげた時に、暗い道路の向うからよろよろとやって来た男があったが、近付くのを見ると女将はキャッと声を上げた。
— 大阪圭吉 『三狂人』 青空文庫
そして松永博士に同行を乞うと、そのままとりあえず場末の銘酒屋まで車を走らせた。
— 大阪圭吉 『三狂人』 青空文庫
作例 · 標準
昔、このあたりには銘酒屋が多かったと聞く。
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銘酒屋の提灯が、夜の闇に妖しく揺れていた。
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彼は銘酒屋の女将に気に入られ、出入りを許されていた。
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ウィキペディア
銘酒屋(めいしゅや)は、銘酒を売るという看板をあげ、飲み屋を装いながら、ひそかに私娼を抱えて売春した店。現在のピンクサロンに相当する。明治時代から大正時代、東京市を中心にみられた。東京の下町では、「めいしや」と発音する。銘酒屋と同様の私娼の表看板としては、飲食店、小料理屋、遊技場、新聞縦覧所、碁会所などが用いられた。
出典: 銘酒屋 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0