届者
とどけしゃ
名詞
標準
文例 · 用例
然無くても古より今に至るまで、関東諸国の民、あすこにも此所にも将門の霊を祀つて、隠然として其の所謂天位の覬覦者たる不届者に同情し、之を愛敬してゐることを事実に示してゐる。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
圧制家、利己論者と口では呪いながら、お勢もついその不届者と親しんで、玩ばれると知りつつ、玩ばれ、調戯られると知りつつ、調戯られている。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
奨学金はたいへん高額、不届者なら学友を出し抜こうと危険を冒してもおかしくありません。
— THE ADVENTURE OF THE THREE STUDENTS 『三枚の学生』 青空文庫
」「しかし不届者が。
— THE ADVENTURE OF THE THREE STUDENTS 『三枚の学生』 青空文庫
「何をする、不届者めが……」と、解けかゝつた帯を締め直して、その儘女を引きずり起して門の外へ押出してしまつた。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
すると、気儘な殿様は、主人の頭に傷をつけた不届者だといつて、すぐに立ち上りざま手打にしたものだ。
— 初出未詳 『茶話』 青空文庫
お滝はびっくりするとともに激しい怒が湧いて来たので、いきなりその不届者を掴み起そうとした。
— 田中貢太郎 『狐の手帳』 青空文庫
鷲太郎山より帰り小八郎を見て、京へ登りしよりこの方文一本くれぬ不届者、面談せば存分いいて面の皮を剥ぐべしと思いしが、向うししには矢も立たず、門脇の姥にも用というを知らぬ人でもなし、のふずも大方直る年、まず何として来るぞと問う。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫