隲
隲
名詞
標準
文例 · 用例
その汗を乾かさうと、雲雀は空に隲る。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
それであるから人の一時の所思や所言や所爲を捉へて、其の人全體なるかの如くに論議し評隲するのは、本より其の當を得たことでは無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
況んや其の性情拗戻辛辣にして、自ら轗軻蹉躓、百事不如意の境遇を招致し、而して不平鬱勃、渇虎餓狼の如き状に在るものの、詭激側仄の感情より生じたる論議評隲に於てをやである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
だから美の標準のみを固執して真の理想を評隲するのは疝気筋の飛車取り王手のようなものであります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
中味は込入っていて眼がちらちらするだけだからせめて締括った総勘定だけ知りたいと云うなら、まだ穏当な点もあるが、どんな動物を見ても要するにこれは牛かい馬かい牛馬一点張りですべて四つ足を品隲されては大分無理ができる。
— ――明治四十四年八月堺において述―― 『中味と形式』 青空文庫
やはり人間同等の気位で彼等の思想、言行を評隲したくなる。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
吾輩の眼玉はただ小さくなったり大きくなったりするばかりだが、人間の品隲とくると真逆かさまにひっくり返る。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
同じ訳に行かぬものを、同じ法則で品隲せんとするのは舟を刻んで剣を求むるの類である。
— 夏目漱石 『作物の批評』 青空文庫