昔年
せきねん
名詞
標準
old times
文例 · 用例
しかも日が暮れてから帰宅するので、この柳のかげに休息して凉風に浴するの機会がなく、年ごとに繁ってゆく青い蔭をながめて、昔年の凉味を忍ぶに過ぎなかったが、我国に帝国議会というものが初めて開かれても、ここの柳は伐られなかった。
— 岡本綺堂 『御堀端三題』 青空文庫
復た当年の苦艱を顧みる者なく、そが細君すらも悉く虚名虚位に恋々して、昔年唱えたりし主義も本領も失い果し、一念その身の栄耀に汲々として借金|賄賂これ本職たるの有様となりたれば、かの時代の志士ほど、世に堕落したる者はなしなど世の人にも謡わるるなり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
その子権十郎はまたその小壺に書きつけをして、「昔年亡父孤蓬庵主小壺をもとめ、伊予すだれと名づけ、その形たとへば編笠といふものに似て、物ふりて佗し。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
しかも日が暮れてから帰宅するので、この柳のかげに休息して涼風に浴するの機会がなく、年ごとに繁ってゆく青い蔭をながめて、昔年の涼味を偲ぶに過ぎなかったが、わが国に帝国議会というものが初めて開かれても、ここの柳は伐られなかった。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
富士川さんは昔年日本医学史の資料を得ようとして、池田氏の墓に詣でた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
保が名を告げた時、福沢は昔年の事を語り出でてこれを善遇した。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
これは昔年よりありしを慶長の乱に西軍これを焼けり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
品坐の主客は各心中に昔年の事を憶ひつつも、一人としてこれを口に出さずにしまつたと云ふことも、亦想像し得られぬことは無い。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
作例 · 標準
昔年の思い出が詰まった古い校舎が取り壊されると聞き、卒業生たちが別れを惜しんで集まった。
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「昔年の活気はどこへ行ったのかねぇ」と、寂れた商店街を眺めながら老人が独り言を言った。
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アルバムを開くと、昔年の友人たちの笑顔が鮮やかによみがえり、懐かしさで胸がいっぱいになった。
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