寂然
せきぜん異読 じゃくねん
名詞形容詞-たる副詞-と
標準
lonely
文例 · 用例
何処か寂然として、瓢逸な街路便所や古塀の壁面にいつ誰が貼って行ったともしれないフラテリニ兄弟の喜劇座のビラなどが、少し捲れたビラじりを風に動かしていたりする。
— 岡本かの子 『巴里の秋』 青空文庫
ほどなく寂然として寐に就きそうだから、汽車の中でもくれぐれいったのはここのこと、私は夜が更けるまで寐ることが出来ない、あわれと思ってもうしばらくつきあって、そして諸国を行脚なすった内のおもしろい談をといって打解けて幼らしくねだった。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
……但し其も、廻燈籠の燈が消えて、雨に破れて、寂然と静まつた影に過ぎない。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
波、波、波は、一|面に陰鬱に、三|角に立つて、同じやうに動いて、鱗のざわ/\と鳴る状に、蠑※の群る状に、寂然と果しなく流れ流るゝ。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
長く響いた気笛が森林に反響して脈々として遠く消え去せた時、寂然として言ふ可からざる静さに此孤島は還つた。
— 國木田独歩 『空知川の岸辺』 青空文庫
自分は持て来た小説を懐から出して心|長閑に読んで居ると、日は暖かに照り空は高く晴れ此処よりは海も見えず、人声も聞えず、汀に転がる波音の穏かに重々しく聞える外は四囲寂然として居るので、何時しか心を全然書籍に取られて了った。
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
されど一村寂然たり。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
小山は黙って描く、自分は黙って煙草をふかす、四囲は寂然として人声を聞かない。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
作例 · 標準
昔、賑やかだった商店街も、今では多くの店が閉まり、寂然としている。
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彼は家族を失って以来、寂然と一人で暮らしている。
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「みんなが帰った後、この部屋は寂然として、なんだか物足りないな。」
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標準
forlornness
作例 · 標準
愛犬を亡くした彼女の心には、深い寂然が広がっていた。
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廃墟となった遊園地には、かつての賑わいとは裏腹に、寂然とした空気が漂っていた。
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彼は人生の終盤に、言いようのない寂然を感じていたという。
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