お椀
おわん
名詞
標準
bowl (wooden)
文例 · 用例
自転車で岡持ちを運んで来る若者は遠路をぶつぶつ叱言いったが、小初の美貌と、父親が宛てがう心づけとで、この頃はころころになって、何か新らしく仕込んだ洒落の一つも披露しながら、片隅の焜炉で火を焙して、お椀の汁を適度に温め、すぐ箸が執れるよう膳を並べて帰って行く。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
一人のお酒に酔った若い者がほおの木の葉でこしらえたお椀のようなものに顔をつっ込んで何か喰べています。
— 宮沢賢治 『雪渡り』 青空文庫
花札、骰子、穴一、銭占、豆握り、ヤットコドッコイのお椀冠せまで、何でも御座れの神|憑りで……」「うううむ。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
(第一おら、下座だちゅうはずぁあんまい、ふん、お椀のふぢぁ欠げでる、油煙はばやばや、さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰っても盃よごさないえい糞面白ぐもなぃ)とうとう小吉がぷっと座を立ちました。
— 宮沢賢治 『とっこべとら子』 青空文庫
一人のお酒に酔った若い者がほほの木の葉でこしらへたお椀のやうなものに顔をつっ込んで何か喰べてゐます。
— 宮沢賢治 『雪渡り』 青空文庫
』 エミ子はそれから、黒地のフロックの首や手首に金箔の条を巻きつけた洋服を着て、真赤な|お椀帽子をかぶって、待っていました。
— 渡辺温 『四月馬鹿』 青空文庫
」すると お母さん牛は 大きな 顏を できるだけ しかめて、「そんな ひづめより 道ばたに おつこつて ゐる お椀の かけらの 方が ましですわ。
— 新美南吉 『仔牛』 青空文庫
」 息を切らせながらのぼつて来た、びつこの年寄が、二人の前にさし出したのは、お米のはいつたお椀でありました。
— 新美南吉 『百姓の足、坊さんの足』 青空文庫