質種
しちぐさ
名詞
標準
文例 · 用例
そしてちょっと考えて、神楽坂の方へとぼとぼ……、その坂下のごみごみした小路のなかに学生相手の小質屋があり、今はそこを唯一のたのみとしているわけだが、しかし質種はない。
— 織田作之助 『天衣無縫』 青空文庫
もじもじしながら、私は質種を出して金の融通を頼んだ。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫
茂緒にもわかる話といえば、この人たちや、この人たちの知りあいらしい人たちが、質種につきて綿メリヤスの汚れたままのシャツや座ぶとんまで質屋にもっていってことわられたり、くいつめて友人の家を一日ずつ居候めぐりをするというようなことだけだった。
— 壺井榮 『風』 青空文庫