煌
こう
名詞
標準
文例 · 用例
いつも青白い光を放散して、空の灯火の如く煌々と輝やいてゐるのである。
— 萩原朔太郎 『月の詩情』 青空文庫
私は、その夕、電燈|煌々として自動車の目まぐるしく飛び交う賑やかな町中で、一枚の号外を握って、地質時代の出来事であるところの、氷河退却時代が、眼のあたりに見られるのだと思った。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
沙漠の旅は夜において為すものなれば、あるいは明月|煌々たるの夕、あるいは星斗闌干たるの夜、一隊の隊旅が香物の薫りを風に漂わせながら、悩める友を見舞わんと鈴打ち鳴らして進む光景は実に絶好の画題である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
ヨブは九章の如き深き懐疑の黒煙に閉じ込められたるが故に、遂に信仰の火これに移りて霊界の煌火焔々として昇り、大光明は彼に臨みまた彼を通して世に臨んだのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
空気清澄にして夜ごとに煌々たる満天の星辰を仰ぎ得たるアラビヤ地方に住みて、ヨブはいかに天を仰いで星を歎美しつつあったことであろう。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
太田ミサコの黒いスカートが冷たい路上で地下の電光に白く煌いた。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
時に月の光|煌々たり。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
今大塚の樹立の方から颯と光線を射越して、露が煌々する路傍の草へ、小さな片足を入れて、上から下りて來る者の道を開いて待構へると、前とは違ひ、歩を緩う、のさ/\と顯はれたは、藪龜にても蟇にても……蝶々蜻蛉の餓鬼大將。
— 泉鏡花 『山の手小景』 青空文庫