残り惜しい
のこりおしい
形容詞
標準
regrettable
文例 · 用例
ああ残り惜しい」「あのまた、歩行ぶりといったらなかったよ。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
読者には、あまり面白くなかったかも知れませんが、私としては、少し新しい試みをしてみたような気もしているので、もう、この回、一回で読者とおわかれするのは、お名残り惜しい思いであります。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
そして、かの女のこのロマン性によればこそ、随分|億劫な世界一周も一緒にやり通し、だんだん人生に残り惜しいものも無くなったような経験も見聞も重ねて、今はどっちへ行ってもよいような身軽な気持だ。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
これが最後の夜と思へばお名残り惜しいけれど、もう夜もぢきあけます。
— 岡本かの子 『夏の夜の夢』 青空文庫
青年は車を離れるのが残り惜しいような気がしたが、降りないわけにゆかないのでそのまま降りた。
— 田中貢太郎 『賈后と小吏』 青空文庫
こうした出来事には人道問題、常識問題等が加味して来るから一概には是非を云えないが、まことに翁のために、又は能楽のために残り惜しい気がして仕様がない。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
「欲にはいま三年ばかり生きられれば、都合がえいと思ってたが、あに今死んだっておれは残り惜しいことはない……」 こう自分ではいったけれど、知覚精神を失った最後の数時間までも、薬餌をしたしんだ。
— 伊藤左千夫 『去年』 青空文庫
さりとてこのまま放してしまうのも残り惜しいように思われるので、どうしたものかと思案していると、あとから来た兼松がずっと進み出た。
— 夜叉神堂 『半七捕物帳』 青空文庫