打って付け
うってつけ
形容動詞
標準
文例 · 用例
豆絞りの向う鉢巻のうしろ姿は打って付けの生粋な哥兄に見えるが、こっちを向くと間伸びな馬面が真黒に日に焼けた、見るからの好人物。
— 夢野久作 『芝居狂冒険』 青空文庫
それは姫草ユリ子なる名称が、彼女の清らかな、可憐な姿の感じに打って付けである事を、彼女が自覚していたばかりでない。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
」というと、さもこそといわぬばかりに、「ある、ある、打って付けのお誂え向きという女がある。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
果物の店は、あの、綺麗にして、なんですわ、美術的にして置かないとお客さんが寄り付いて下さらないから――夫 そいでまあ、このりんごの絵なら飾っとくのに打って付けだと思いましてね。
— 三好十郎 『炎の人――ゴッホ小伝――』 青空文庫
幸い、本所の御用聞で、石原の利助親分の娘のお品さん、これは出戻りだが、縹緻も才智も人並みすぐれて、こんなことには打って付けの女です。
— 朱塗の筐 『銭形平次捕物控』 青空文庫
女盛りの豊満な美しさに溢るる石井夫人は、一座の女|主人として本当に打って付けでした。
— 野村胡堂 『悪魔の顔』 青空文庫
すでに好都合な条件が揃っているところへ、またもう一つ、渓流から湧き出でる温泉と云う、打って付けの道具立てが加わったのである。
— 谷崎潤一郎 『吉野葛』 青空文庫
三つとも慎み謹んで演奏しているので、ルービンシュタインのレコードとしては良い方であるが、ポーランド人ルービンシュタインには、やはりポロネーズが一番打って付けであったと私は信じている。
— 野村長一 『名曲決定盤』 青空文庫