興廃
こうはい
名詞
標準
文例 · 用例
このデンマーク国、興廃の大事な朝に、ポローニヤス一個人の身の上などは、問題になりません。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
要するに取捨興廃の権威共に自己の手中にはない事になる。
— 夏目漱石 『道楽と職業』 青空文庫
天下の興廃は叡山|一刹の指揮によって、夜来、日来に面目を新たにするものじゃと思い籠めたように、※々として叡山を説く。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
かほどの、国の興廃にもかかわる大機密を明して、無事に帰すはずはない。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
が、一夜の中に毛利一家の興廃を賭けたわけであるが、併し元就の心中には勝利に対する信念の勃々たるものがあったのではないかと思われる。
— 菊池寛 『厳島合戦』 青空文庫
わが邦でも時代の変遷に伴うて兵器に興廃あり。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
三たび我が行きし時に、蒼海は幾多の少年壮士を率ゐて朝鮮の挙に与らんとし、老畸人も亦た各国の点取に雷名を轟かしたる秀逸の吟咏を廃して、自村の興廃に関るべき大事に眉をひそむるを見たり。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
少婦も出で来り、当時の主人なる無口男も席に進みて、或は旧時の田花の今は已に寡婦になりしを語り、或は近家の興廃浮沈に説き及び、或は我が棲むところを問ひなどしつ、この夜の興味は抹すべからざる我生涯の幻夢なるべし。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫