殿作り
とのづくり
名詞
標準
文例 · 用例
〔無題〕ひさかたの空色の家、さき草の三葉四葉に殿作り日かげにほへる此家は、あはれ此家は誰が為にある。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
そして菊亭殿の奥のようすをジッと聞きすましているらしかったが、ひろい大殿作りの内からは、あれきり鼓の音も人声ももれてはこず、ただ花橘や梅の香に、ぬるい夜風がゆらめくのを知った。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
そこの大銀杏から小半町先の一廓いに、館構えが見え、古びた殿作りの屋根が、墨で刷いたように、赤松の梢と、築地の蔭に、沈んでいる。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
御殿づくりでかしづいた、が、其の姫君は可恐い蚤嫌ひで、唯一|匹にも、夜も晝も悲鳴を上げる。
— 泉鏡太郎 『人魚の祠』 青空文庫
こゝに古き殿づくりあり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
西多摩や造酒屋は門櫓いかしく高く、棟さはに倉建て竝め、殿づくり、朝日夕日の押し照るや、八隅かがやく。
— 北原白秋 『海阪』 青空文庫
西多摩や造酒屋は門櫓いかしく高く、棟さはに倉建て並め、殿づくり、朝日夕日の押し照るや、八隅かがやく。
— 北原白秋 『篁』 青空文庫
春の光に立つ柳、今日こそ見ゆれ、美くしく、これは翡翠の殿づくり。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫