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曇り日

くもりび
名詞
1
標準
文例 · 用例
その翌日の、忘れもしない十四日の朝、それは時時うすれ日の射す何となく陰鬱な曇り日だつたが、私は疲れてゐる妹を宿に殘して一人|當別村のトラピスト修道院へ向つた。
南部修太郎 處女作の思ひ出 青空文庫
而も、その暗記の仕方といふのが、先づ日光の中で、次は曇り日、次は夕方、次は電燈、結局最後に蝋燭の光の中でといふ風に明暗の順序を追つて眼を慣らしながら研究暗記し、乏しい明るさの中でもこの木目はこの牌とすぐ分るやうに努力するのだと言ふ。
南部修太郎 麻雀を語る 青空文庫
(大正十三年五月、渋柿)       * 晩春の曇り日に、永代橋を東へ渡った。
寺田寅彦 柿の種 青空文庫
しかし、それだけにまた、自分にとっては三十余年前の冬のある曇り日のこの珍しい体験が、過去の想い出の中に聳え立った一里塚のように顕著な印象を止めているものと思われる。
寺田寅彦 鴫突き 青空文庫
もしそうでなかったら曇り日に見たセザンヌと晴天に見たセザンヌは別物に見えなければならないわけである。
寺田寅彦 蓄音機 青空文庫
その夜は鳴かなかつたが、翌日からは一日ぢゆうが日暮れどきのやうに暗い曇り日は晝さへも洗面器や便器の陰などでよく鳴くのであつた。
島木健作 第一義の道 青空文庫
――十二月の中旬で雨か雪が今にも降り出しさうな底冷えのする曇り日だつた。
島木健作 黎明 青空文庫
さうしたしつとりとした曇り日もうれしい。
北原白秋 孟宗と七面鳥 青空文庫