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嵌め込む

はめこむ
動詞
1
標準
文例 · 用例
もとよりヤリクリをして、狡辛く世を送っているものだから、嵌め込む目的がない時は質に入れたり、色気の見える客が出た時は急に質受けしたり、十余年の間というものは、まるで碁を打つようなカラクリをしていたその間に、同じような族類系統の肖たものをいろいろ求めて、どうかして甘い汁を啜ろうとしていた。
幸田露伴 骨董 青空文庫
もとよりヤリクリをして、狡辛く世を送つてゐるものだから、嵌め込む目的が無い時は質に入れたり、色気の見える客が出た時は急に質受けしたり、十余年の間といふものは、まるで碁を打つやうなカラクリを仕てゐた其の間に、同じやうな族類系統の肖たものをいろ/\求めて、何様かして甘い汁を啜らうとして居た。
幸田露伴 骨董 青空文庫
太い柱に一つの穴を鐫るのに三時間もかかつたり、その穴に腕木をきつちり嵌め込むのに午前中かかつたりした。
島木健作 生活の探求 青空文庫
「ですから、時江さんが避ければ避けるほど、貴方の幻をしっくりと嵌め込むのに、焦れだしてきたのですが、折よくこの樹立の中で、私は人瘤を探し当てました。
小栗虫太郎 白蟻 青空文庫
写生による風景や静物以外、大きな壁画であるとか、あるいは何百号への大作などする場合、たんに自然の一角を切り取って嵌め込むだけでは絵はまとまらない。
小出楢重 油絵新技法 青空文庫
朝子が思わずもう誰も見えない暗い階段の下の方を見送っていると、あから顔の社長は、葭戸と平行に、書棚でも嵌め込む積りか壁に六尺に二尺程窪みがついている、その窪みの処から、悠っくりさり気なく室の中央へ向って歩き出した。
宮本百合子 一本の花 青空文庫
然るに他流の型が面白いからといつて、それを取り來つて、自流の型の中に嵌め込むが如きは取りも直さず藝術としての統一を破壞するもので、正しく邪道へ一歩を踏み出すものと言はねばならない。
觀世左近 流儀の定め 青空文庫
彼はこの作品によつて彼自身をクリストの中に深く嵌め込むことが出來た。
――藝術家としての彼を論ず―― 芥川龍之介論 青空文庫