東市
ひがしいち
名詞
標準
文例 · 用例
市川菊之助、瀬川国十郎、沢村嘉右衛門、坂東市松、坂田門之助、染川文七、最高幹部が、一様に、にこにこ笑ってこっちを見ている。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
亀千代は寛文九年に十一歳で総次郎綱基となり、踰えて十一年、兵部宗勝の嫡子|東市正宗興の表面上の外舅となり、宗勝を贔屓した酒井雅楽頭忠清が邸での原田甲斐の刃傷事件があつて、将に失はんとした本領を安堵し、延宝五年に十九歳で綱村と名告つたのである。
— 森鴎外 『椙原品』 青空文庫
亀千代が死んでも、初子の生んだ亀千代の弟があるから、兵部の子|東市正に宗家を襲がせることは出来まい。
— 森鴎外 『椙原品』 青空文庫
都の東市に李和子という悪少年があって、その父を努眼といった。
— 酉陽雑爼(唐) 『中国怪奇小説集』 青空文庫
「それでは小さい災いを免かれまい」 その翌日、東市から火事がおこって百千家を焼いたが、まずそれだけで消し止めた。
— 異聞総録・其他 『中国怪奇小説集』 青空文庫
徳川宗家からの附家老、成瀬隼人正をはじめとし、竹越山城守、渡辺飛騨守、石河東市正、志水甲斐守、歴々年功の家来もあったが、傍観するより仕方なかった。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
この頃知行一万石、石河原東市正のお屋敷において月見の宴が催され、家中の重臣や若侍が、そのお屋敷に招かれていた。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫
竹腰但馬、渡辺半左衛門、平岩|図書、成瀬|監物、等々の高禄の武士たちは、主人東市正と同席し、まことに上品におとなしく昔話などに興じていたが、若侍たちは若侍たちで、少し離れた別の座敷であたかも無礼講の有様で、高笑、放談、自慢話――女の話、妖怪変化の話、勝負事の話などに興じていた。
— 国枝史郎 『剣侠』 青空文庫