掛人
かかりゅうど
名詞
標準
文例 · 用例
(高松のお藤さん)(長江のお園さん、お光さん)医師の娘が三人揃って、(百合さん)(婦美さん)(皐月さん)歯を染めたのでは、(お妾のお妻さん)(割鹿の子のお京さん)――極彩色の中の一人、(薄墨の絵のお銀さん)――小銀のむかし話を思わせます――継子ではないが、預り娘の掛人居候。
— 泉鏡花 『菊あわせ』 青空文庫
そちは、踊り振り事の類をもって身を立て得ると聞き及ぶが、当分、父久助とともに木場の甚方へ掛人になるがよい。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
この間っからの不気味な悪戯が私の仕業だとでも言うのかい」 今では掛人で、奉公人も同様ですが、もともと育ちのいいお吉は、老獪な岡っ引に絡んで来られると、口もろくに利けません。
— 復讐鬼の姿 『銭形平次捕物控』 青空文庫
それをなだめて引退らせると、續いて自分から進んで、掛人の寺本山平といふ浪人者が逢ひたいと言つて來ました。
— 女の足跡 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「まア宜い、三年前山下の伊勢屋で掛人の浪人者を斬り殺し、隣の仕立屋駒吉に傷を負はせて逃げた熊井熊五郎が近頃また江戸に舞ひ戻つて御府内を荒してゐるやうだ。
— 娘の役目 『錢形平次捕物控』 青空文庫
検屍が済んだのは翌る朝、そのうちに町内や近所の人も駆けつけ、わけても三河屋の主人甚兵衛と、掛人の佐々波金十郎、それに、死んだ蔵人とわけても昵懇にしていた、佐野屋九助、伊勢屋玉吉などは、本当に親身になって世話をしてくれました。
— 敵討果てて 『銭形平次捕物控』 青空文庫
川手氏が城郭の不思議な掛人となってから、四五日は何事もなく経過した。
— 江戸川乱歩 『悪魔の紋章』 青空文庫