渡り物
わたりもの
名詞
標準
文例 · 用例
しかしながら、今まで素朴であった村邑が工夫という渡り物の来たためにアブク銭が落ち込むので、農家はいずれも半ば飲食店のようになり、善良なりし村家の戸毎から酒気溢れ、淫声戸外に洩るるようになったのは、残念で堪らぬような気がした。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
その徳利はオランダからの渡り物だといって、対山が自慢の道具の一つだった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」手品師はもう渡り物特有の心易さでそんなお世辞すら云つた。
— 久米正雄 『手品師』 青空文庫
以て当時の人々の鑑賞力のほどもわかって来るというもので、所謂古渡り物は、今日なお食器の最高権威として取扱われている次第である。
— 北大路魯山人 『料理と器物』 青空文庫