燎火
りょうか
名詞
標準
文例 · 用例
近く三軒の庭に燎火をたいて集まつた人々はてんでに用意を調へて、重立つ人々の指圖を待つて居る。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
大きな燎火が、澄んだ曠原の夜の空を一部分ボーッと焦している下で、兵卒等はぐるりと幾つもの円い輪に坐り、てんでに果物酒と堅焼煎餅とを前に置いて、喋り、笑い、或る者は、歌を謡った。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫
熾だった燎火も消え、処々に、低く篝火が燃えていた。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫
落付くと、ルスタムは、三人の男の声のうち、一番若い、徹るのが、彼のいる場所からは右手、燎火に近い側から響くのをきき分けた。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫
相伝ふ、昔はその民家の悪気を追ふとて、箕を二口合せて、獅子の頭に擬似して戸々を巡り、その祭り畢るときは、燎火にて焼棄たるなりと。
— 中山太郎 『獅子舞雑考』 青空文庫
そして時折、夜に入って一しお肌寒い時雨が、松明や燎火の焔をうごかした。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
満山の木々も染まるほど、館の燎火は燃えていた。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
燎火や篝の光が低い雨雲に映って、真っ黒な天地の中に、そこばかりがぼうと美しい。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫