幻辞.com

廃市

はいし
名詞
1
標準
文例 · 用例
さうして静かな廃市の一つである。
北原白秋 水郷柳河 青空文庫
さうしてこの一騒ぎのあとから、また久濶ぶりに清らかな水は廃市に注ぎ入り、楽しい祭の前触が異様な道化の服装をして、喇叭を鳴らし拍子木を打ちつつ、明日の芝居の芸題を面白をかしく披露しながら町から町へと巡り歩く。
北原白秋 水郷柳河 青空文庫
要するに柳河は廃市である。
北原白秋 水郷柳河 青空文庫
第一次大戦の惨禍は生きているものに、平和を警告しつづける記念物として、ヴェルダンの廃市に一望果ない戦死者墓地となってのこっていた。
宮本百合子 世界の寡婦 青空文庫
日々を、心ならずもいやな事、心を悩ます事の多い中で暮して居るのであるから、どこの廃市にも、満ち満ちて居る自然美になつかしむ心さえあれば、何もことさらの金と時間を費さずとも、霊の洗われ、清められる慰めを得るのであるのに……。
宮本百合子 雨滴 青空文庫
ローダンバックの『廃市ブリュージ』。
永井荷風 小説作法 青空文庫
そして悲しいロオダンバツクのやうに唯だ余念もなく、書斎の家具と、寺院の鐘と、尼と水鳥と、廃市を流るゝ堀割の水とばかりを歌ひ得るやうになりたい。
永井荷風 海洋の旅 青空文庫
さうして靜かな廢市の一つである。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫