藁半紙
わらばんし
名詞
標準
文例 · 用例
私、いま、自らすすんで、君がかなしき藁半紙に、わが心臓つかみ出したる詩を、しるさむ。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
われ藁半紙のゆえにのみしるす也と思うな。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
時々母は塵紙のやうな藁半紙に鉛筆で一字一字刻みこんだやうな假名ばかりの手紙を書いてよこす。
— 島木健作 『盲目』 青空文庫
父が原稿を書くことにあまり好意を持っていなかったので、原稿紙を買ってもらうことも出来ず、「流れ行く運命」という長篇は全部、小学校の教員をしている友人から、生徒が鉛筆で答案を書いた藁半紙をもらって、そこへ毛筆で書いた。
— ――文壇苦行記―― 『骨を削りつつ歩む』 青空文庫
これじゃあ役に立ちませんか」と、松吉はふところから藁半紙の帳面を出してみせた。
— 十五夜御用心 『半七捕物帳』 青空文庫
寝ながら藁半紙のやうな原稿紙を拡げて、富岡は、漆に就いての随筆を書いてゐた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
彼は署長の手帖の中身をスッカリ藁半紙に書き写してしまってから、激しい地声でまくし立てた。
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫
「なんじゃ、これは一体」 とベタ一面に鉛筆を走らせた藁半紙を署長の鼻先につきつけたのは、もう夙くに帰ったものとばかり思っていたK新報社長の田熊だった。
— 海野十三 『人間灰』 青空文庫