ぎこちない
ぎこちない異読 ぎごちない
形容詞頻度ランク #28352 · 青空 165 例
標準
awkward
文例 · 用例
休憩時間に廊下へ出て腰かけて煙草でも吹かしていると、自然にのどかなあくびを催して来る、すると今までなんとなしにしゃちこばってぎこちないものに見えた全世界が急になごやかに快いものに感ぜられて来て、眼前を歩いている見知らぬ青年男女にもなんとない親しみを感じるようになるのがわれながら不思議なくらいである。
— 寺田寅彦 『映画と生理』 青空文庫
いくらこどもでも自然とこの間の敵対意識があって、わたくしには何か息を詰めるぎこちない感情が喉元につかえていて、夫人に向っても打ち融け兼ねていました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
三人はぎこちない気持で、町中や公園の喧騒の中を歩き廻った。
— 岡本かの子 『決闘場』 青空文庫
やがて助教授宮坂は日本人的のぎこちない真面目な顔付きでガルスワーシーを覗き込むようにしながら氏の近作「銀の匙」と「白鳥の歌」に就いて発言しようと口を切った時、玄関へ一団の訪問客の押しかけて来たけはいを感じて言葉を切った。
— 岡本かの子 『ガルスワーシーの家』 青空文庫
コンクールを受けた連中はいずれもうやうやしく審査員に頭を下げ、そして両足をそろえて、つつましく弾くのだったが、寿子はつんとぎこちない頭の下げ方をして、そしていきなり股をひらいて、大きく踏ん張ると、身体を揺り動かしながら、弾き出すのだった。
— 織田作之助 『道なき道』 青空文庫
済んまへんが一つ……」縫うてくれと頼むと、そのままぎこちない世間話をしながらいつまでも坐り込み、お君を口説く機会は今だ今だと心に叫んでいたが、そんな彼の肚を知ってか知らずにか、お君は、長願寺の和尚さんももう六十一の本卦ですなというつまらぬ話にも、くるりくるりと眼玉をまわして、げらげら笑っていた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
いかにも内気らしくおどおどしたり、つんと済ましこんでいたり、随分ぎこちない豹一ばかり見て来た多鶴子は、そんな情熱的な豹一を見ると、思わず唇の端に微笑を泛べた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
足音はよたよたとしていてぎこちない。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫