きりきり
きりきり
副詞
標準
文例 · 用例
とにかく、よく気がきいて、きりきりしゃんと素早く仕事を片づける手際は、かっぽれの言い草じゃないけれど、「まったく、日本一のおかみさんだよ。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
それより以前には、私の左の横顏だけを見せつけ、私のをとこを賣らうとあせり、相手が一分間でもためらつたが最後、たちまち私はきりきり舞ひをはじめて、疾風のごとく逃げ失せる。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
きりきり舞って舞って舞い狂って、はては自殺と入院である。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
その「煙のビスケット」が生物のように緩やかに揺曳していると思うと真中の処が慈姑の芽のような形に持上がってやがてきりきりと竜巻のように巻き上がる。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
愚図々々すれば、貴郎例に似合わない、きりきりなさいなね……とお蔦が歯痒がる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
散策子は踵を廻らして、それから、きりきりはたり、きりきりはたりと、鶏が羽うつような梭の音を慕う如く、向う側の垣根に添うて、二本の桃の下を通って、三軒の田舎屋の前を過ぎる間に、十八、九のと、三十ばかりなのと、機を織る婦人の姿を二人見た。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
路は一際細くなったが、かえって柔かに草を踏んで、きりきりはたり、きりきりはたりと、長閑な機の音に送られて、やがて仔細なく、蒼空の樹の間漏る、石段の下に着く。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
)―― きりきりと電話を切ったて。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫