花の雨
はなのあめ
表現名詞
標準
rain falling on cherry blossoms
文例 · 用例
俳句の季題の「おぼろ」「花の雨」「薫風」「初あらし」「秋雨」「村しぐれ」などを外国語に翻訳できるにはできても、これらのものの純日本的感覚は到底翻訳できるはずのものではない。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
風の東より吹くとき、西へ落つるものは花の雨なり。
— 島崎藤村 『山家ものがたり』 青空文庫
彼の地の劇界で、この極東の、たった一人しかなかった最初の女優に、梨花の雨に悩んだような風情を見|出して、どんなに驚異の眼を見張ったであろう。
— 長谷川時雨 『マダム貞奴』 青空文庫
全体が腺病的で神経的で、なにかの童話にある王女のように、花の雨でも降れば消え失せるのではないかと危ぶまれる――それほどに、朝枝は痛々しく蝋のような皮膚色をしていたが、一方にはまた、烈しい精神的な不気味なものがあって、すべてが混血児という、人種の疾病がもたらせたのではないかとも思われるのだった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
花の吉野の落花の雨の代りに、大和路で金銀の色の夕立雨にぬれたのであった。
— 児玉花外 『菜の花物語』 青空文庫
近代女流俳句は写生に立脚して、古句よりはるかに純文芸的に鋭敏に、或は夕風にゆらぐ一朶の花を写し、或は花人を叙し、花の雨嵐の花等あらゆる桜花を凝視して、元禄天明女流の描きえなかった領域までもよみこなし、量質共に昔の句に優るとも劣ってはいない。
— 杉田久女 『桜花を詠める句』 青空文庫
花衣ぬぐやまつはる紐いろ/\ 久女嵐山の枯木もすでに花曇り 同野々宮を詣でじまひや花の雨 同じ(「花衣」二号 昭和七年四月)
— 杉田久女 『桜花を詠める句』 青空文庫
「この桜をゆすって花の雨を身に浴びて、香りや花弁に家を埋めよう」という有名な二重唱をうたいます。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
作例 · 標準
満開の桜にそっと降り注ぐ花の雨は、儚くも美しい光景だった。
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風に舞う桜の花びらが、まるで花の雨のように地面に降り積もっていた。
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「きれい…まるで花の雨みたい。」
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