木取り
きとり
名詞
標準
文例 · 用例
この木の玉の出るのは、必ずしも偶然ではなく、木取りの仕様で、出そうと思えば出るものです。
— 大隈綾子刀自の思い出 『幕末維新懐古談』 青空文庫
木取りは御造営の方で出来ていて、材料はチャンと彫るばかりになって私の手へ廻されておりますので、こっちは鑿を下せば好いわけであります。
— 皇居御造営の事、鏡縁、欄間を彫ったはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
俺なんざ、今でも、むつかしい木取りの時あ、目の前に健五郎ば置いて、どげん引目ば入れりゃよかつかい健五郎ちうて、相談しいしいやっちょるとばい。
— 三好十郎 『破れわらじ』 青空文庫
そして内部の室々の木取りとか階段などを、木で造つたのも、初めは外国人の指揮につれて、日本人が組下でやつたのである。
— 木村荘八 『東京の風俗』 青空文庫
けれども石斛や巻柏は少ないようである、植木取りに乱採された結果であろう。
— 木暮理太郎 『奥秩父』 青空文庫
一時、芸者の数が有余ったため、隣家の平屋を出城にして、桔梗、刈萱、女郎花、垣の結目も玉章で、乱杙逆茂木取廻し、本城の欄の青簾は、枝葉の繁る二階を見せたが、近頃いわれあって世帯を詰めて、稲荷様向うの一軒につづめたので、隣家はあたかも空屋である。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
翌日から弁当持ちで通って来られたので、私は木取を教えて上げた。
— 馬専門の彫刻家のこと 『幕末維新懐古談』 青空文庫
やはり何処かに元木があり、接木取木の法があり、又は種を拾ひ実生を育てる手数があり、之を遠近に運ぶ労働があつて、今のやうに弘い地域に行渡つたものと想像せられる。
— 柳田國男 『信濃桜の話』 青空文庫