身も世もない
みもよもない
表現形容詞
標準
heartrending
文例 · 用例
その証拠には土間がまるきり死人のやうに寂かだし、主人のめだまは古びた黄金の銭のやうだし、わたしはまったく身も世もない。
— 宮沢賢治 『家長制度』 青空文庫
ドリアンは、生れてはじめて身も世もない恋慕の思いに胸をかきみだされた。
— The Portrate of Dorian Gray 『絵姿』 青空文庫
美くしい身振の、身も世もないといふやうな、迫つた三味に連れられて、チヨボの佐和利に乗つて、泣いて泣いて溺れ死にでもするやうにおかるは泣いてゐる。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
私は身も世もないように失望してしまいました。
— 菊池寛 『ある恋の話』 青空文庫
私はその事があって以来、暫く貴女のお姿が、見物席に見えなかったので、愈々私の思い違いを信じ、貴女が私の無礼をお怒りになり、あれきりお姿をお見せにならなくなったのではないかと思うと、私は身も世もないような、深い失望と嗟嘆とに暮れてしまいました。
— 菊池寛 『ある恋の話』 青空文庫
が、それが恋人の父であると、思い返すと、身も世もないような悲しみが伴った。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
そう思うと、美奈子は身も世もないような心持がした。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
娘は正気がついて自分が救われたことを知ると、身も世もないように泣きしきった。
— 菊池寛 『身投げ救助業』 青空文庫