家刀自
いえとじ
名詞
標準
文例 · 用例
かんこちりめんといふ、これは苦労して働いた家刀自の愛のやうな感じのちりめんで、やはりその頃母の古着のなかにあつたやうに覚えてます。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
「それまで蒼求の火を消さないで持つて歩いたといふお話でせうね」とこの話をきいた友達がある時言つたが、蒼求の火はもとより、その時の道伴れであつた家刀自はもはやない。
— 竹久夢二 『砂がき』 青空文庫
いつとても帰り来給ふ用意ある心を抱き老いて死ぬらん 心の赴くままに矩を越えざる哲人の境地はやがて寂しい我が家刀自の境地でもあつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
さうした時代にも、まれびとは家あるじに対して、舞ひをした処女或は、接待役に出た家刀自を、一夜づまに所望する事も出来たのである。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
まれびと優遇の爲に、家々の巫女なる處女・家刀自の侍ることはあるが、此は別である。
— まれびとの意義 『國文學の發生(第三稿)』 青空文庫
国足らす畑つ益芋(ますうも)、をしげなく早めに掘りて、初穂をば享けたまへと、たなばたのまつりに供へ、家刀自はそがあまり鉢に盛り、うからにぎはす。
— ――黙子覚書―― 『夢は呼び交す』 青空文庫
何の故に山の神たる者がかくのごとく、人間の家刀自の必ず持つべきものを、手草にとって舞うことにはなったのか。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
これに反して俳諧は、なんでもない只の人、極度に平凡に活きている家刀自、もっと進んでは乞食、盗人の妻までを、俳諧であるが故に考えてみようとしているのであります。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
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家刀自(いえとじ)は、日本の古代の家に存在していた女性の呼称・身分。
出典: 家刀自 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0