手の裏
てのうら
名詞
標準
文例 · 用例
されば敵手の身体の何処を捕えて何処に力を加えるが有効かという四十八手の裏表には数学者のひねり出した力学上の原理が籠っている、力士は知らず識らずこの原理を応用しているのだ。
— 寺田寅彦 『相撲と力学』 青空文庫
昨日今日、今までも、お互に友と呼んだ人たちが、いかに殿の仰せとて、手の裏を反すように、ようまあ、あなたに刃を向けます。
— 泉鏡花 『天守物語』 青空文庫
」 手の裏かえす無情さは、足も手もぐたりとした、烈日に裂けかかる氷のような練絹の、紫玉のふくよかな胸を、酒焼の胸に引掴み、毛脛に挟んで、「立たねえかい。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
喬は満足に物が言えず、小婢の降りて行ったあとで、そんなすぐに手の裏返したようになれるかい、と思うのだった。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
母親は、腕捲りして、薔薇いろの掌を差出して手品師のように、手の裏表を返して子供に見せた。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
」 手の裏かへす無情さは、足も手もぐたりとした、烈日に裂けかゝる氷のやうな練絹の、紫玉の、ふくよかな胸を、酒焼の胸に引掴み、毛脛に挟んで、「立たねえかい。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
急にじゃれついてきて、わたしを興奮させたり、うっとりさせたかと思うと、こんどは手の裏を返すように、わたしを突っぱなして、彼女に近寄ることも、その顔を眺めることも、できないような羽目に落してしまう。
— ツルゲーネフ 『はつ恋』 青空文庫
つまりがなんらかの方法でかの頼長の鼻をくじいてさえしまえば、余の人びとは手の裏をかえしたようにこちらの味方になるのは見え透いている。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫