ぐらつく
ぐらつく
動詞
標準
文例 · 用例
ところがその晩ボースンは船長から「ねじ」のぐらつくほど「油をしぼられた」のであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
わしたちが、いくら遊んだって、ぐらつく財産じゃない。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
私は自分が小説を書く事に於いては、昔から今まで、からっきし、まったく、てんで自信が無くて生きて来たが、しかし、ひとの作品の鑑賞に於いては、それだけに於いては、ぐらつく事なく、はっきり自信を持ちつづけて来たつもりなのである。
— 太宰治 『『井伏鱒二選集』後記』 青空文庫
――風の模樣は……まあ何だらうと、此弱蟲が悄々と、少々ぐらつく欄干に凭りかゝると、島田がすつと立つて……九月初旬でまだ浴衣だつた、袖を掻い込むで、白い手を海の上へさしのべた。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
伯父さんと謂われたる老人は、ぐらつく足を蹈み占めながら、「なに、だいじょうぶだ。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
たゞ大南風に渡船のぐらつくをも怖るゝ如き船嫌ひの人のためにするにはあらず。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
兀も周三は近頃恐ろしい藝術的頬悶に陥ツて、何うかすると、折角築上げて來た藝術上の信仰が根底からぐらつくのであツた、此のぐらつきは、藝術家に取りて、最も恐るべき現象で、都ての悦も満足も自負も自信も、悉く自分を去ツて了ツて、代に恐怖が來る。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
吃水の浅い船はぐらつく。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫