現し世
うつしよ
名詞
標準
文例 · 用例
神の純化が遂げられてゐなかつた頃の人々は、目に見えぬ力として、現し世の姿を消した人の霊をも、神と一列に幡もて、招ぎよすべきものと信じたのである。
— 折口信夫 『幣束から旗さし物へ』 青空文庫
九人は、完全に現し世の庶民の心に、なり還つて居た。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
も一度くわつと※いて、現し世のありのまゝをうつしてくれ、……土龍の目なと、おれに貸しをれ。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
丑刻に、靜謐の頂上に達した現し世は、其が過ぎると共に、俄かに物音が起る。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
唯うつとりと、塔の下から近々と仰ぐ、二上山の山肌に、現し世の目からは見えぬ姿を惟ひ觀ようとして居るのであらう。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
なごり惜しく過ぎ行く現し世のさま/″\。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
現し世の幾人にも當る大きなお身に合ふ衣を、縫ふすべを知らなかつた。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
やがて金色の雲氣は、次第に凝り成して、照り充ちた色身――現し世の人とも見えぬ尊い姿が顯れた。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫