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御家流

おいえりゅう
名詞
1
標準
Oie school of calligraphy (based on the gyōsho style; popular in the Edo period)
文例 · 用例
一冊は半紙廿枚綴りで、七冊百四十枚、それに御家流で丹念に細かく書かれているのであるから、全部を読了するにはなかなかの努力を要すると、わたしも始めから覚悟して、きょうはいつもよりも早く電燈のスイッチをひねって、小さい食卓の上でその第一冊から読みはじめた。
岡本綺堂 西瓜 青空文庫
性質の穏かな、言葉数の少ない、慈愛心の深い人で、殊に学問――と謂ふ程でも無いが、御家流の字が村にも匹敵するものが無い程上手で、他村への交渉、飯山藩の武士への文通などは皆この人に頼んで書いて貰ふのが殆ど例になつて居たといふ事である。
田山花袋 重右衛門の最後 青空文庫
六朝の文字があんなだつたか何うかは知らないが、もしかそれが御家流のやうな字だつたにしても、不折氏は矢張り今と同じやうにそれを真似て「六朝だ、六朝だ」と好い気になつてゐるに相違ない。
大正六(一九一七)年 茶話 青空文庫
半紙二つ折りの横綴の古帳に、事細かく、當時流行つた御家流の書體で達者に書きしるしてある。
島崎藤村 桃の雫 青空文庫
第二、書體に就いて吟味するに、字形は大體唐樣と取るべきもので、御家流の影響は微弱である。
狩野亨吉 天津教古文書の批判 青空文庫
譬えば上等士族は習字にも唐様を学び、下等士族は御家流を書き、世上一般の気風にてこれを評すれば、字の巧拙を問わずして御家流をば俗様として賤しみ、これを書く者をも俗吏俗物として賤しむの勢を成せり。
福沢諭吉 旧藩情 青空文庫
御家流の文字の如き、其本は支那に取りしものにても、支那流外に一種の書風を成して、其法を傳授する上は我國の固有にして、美術の中には大切なるものならん。
福沢諭吉 帝室論 青空文庫
国の古蹟・家の由緒を語る碑文の平仮名が、正確で弾力のない御家流である如く、島人の倭文・倭歌は、つれ/″\の結晶かと思はれる程、類型の重くるしさを湛へてゐる。
折口信夫 若水の話 青空文庫