旗影
きえい
名詞
標準
文例 · 用例
否、将軍家も定敬公も、錦旗の旗影を見られると、すぐ恭順せられるかもしれない。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
卿の息の蜜を吸ひ盡した死神も、卿の艶麗さには能い勝たいでか、其蒼白い旗影はなうて美の旗章の鮮な此唇、此兩頬。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
そも壽永の初め、指す敵の旗影も見で都を落ちさせ給ひしさへ平家末代の恥辱なるに、せめて此上は、一門の將士、御座船枕にして屍を西海の波に浮ベてこそ、天晴名門の最後、潔しとこそ申すべけれ。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
そも壽永の初め、指す敵の旗影も見で都を落ちさせ給ひしさへ平家末代の恥辱なるに、せめて此上は、一門の將士、御座船枕にして屍を西海の波に浮べてこそ、天晴名門の最後、潔しとこそ申すべけれ。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
ふりかえって見ると、甲州街道の木立に見え隠れして、旗影と少年音楽隊の曲が次第に東へ進んで行く。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
はるかに北方の海上を望めば、さきに水天の間に一髪の浮かめるがごとく見えし煙は、一分一分に肥え来たりて、敵の艦隊さながら海中よりわき出づるごとく、煙まず見え、ついで針大の檣ほの見え、煙突見え、艦体見え、檣頭の旗影また点々として見え来たりぬ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
彼は、明るい空の下に、赤い旗影や、白い旗影などがひらひらとひるがえって、人影が、町の中を往来する光景などを、ぼんやりと目に描いたのでありました。
— 小川未明 『公園の花と毒蛾』 青空文庫
ところが山上には、旗影だけで、人はいなかった。
— 出師の巻 『三国志』 青空文庫