浮きつ沈みつ
うきつしずみつ
表現動詞-サ変
標準
floating up and sinking down
文例 · 用例
狸は夕陽にきらきら輝く湖面に浮きつ沈みつ、「あいたたた、あいたたた、ひどいぢやないか。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
舳櫓を押せる船子は慌てず、躁がず、舞上げ、舞下る浪の呼吸を量りて、浮きつ沈みつ、秘術を尽して漕ぎたりしが、また一時暴増る風の下に、瞻るばかりの高浪立ちて、ただ一呑と屏風倒に頽れんずる凄じさに、剛気の船子も※呀と驚き、腕の力を失う隙に、艫はくるりと波に曳れて、船は危く傾きぬ。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
ゴチや/\メヤや/\其間に猫が浮きつ沈みつして居る。
— 夏目漱石 『鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年』 青空文庫
村中一人残らず渚へ出て焚火をして浮きつ沈みつする船を眺めて居る許りである。
— 夏目漱石 『高浜虚子著『鶏頭』序』 青空文庫
唯覚ゆ、糸声の波はこのデウベン城をただよはせて、人もわれも浮きつ沈みつ流れゆくを。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫
ただ覚ゆ、糸声の波はこのデウベン城をただよわせて、人もわれも浮きつ沈みつ流れゆくを。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫
」 斯んなやうな話を交してゐても彼の心は、先へ先へと、途方もない妄想に駆られて、波立つてはうろたへ、醒めたかと思へば忽ち酔ひ痴れ、目眩しく浮きつ沈みつしてゐるばかりで、現の言葉などは何でも関はなかつた。
— 牧野信一 『小川の流れ』 青空文庫
本当の荒波の中に浮きつ沈みつしてゐるのである。
— 田山録弥 『三月の創作』 青空文庫
作例 · 標準
例句