腐らせる
くさらせる
動詞-一段動詞-他動詞
標準
to let spoil
文例 · 用例
指をふれればぱちんとわれて、きたない汁をはじきだし、みるみる指を腐らせる、あの花の名が判ったらねえ」 僕はせせら笑い、ズボンのポケットへ両手をつっ込んでから答えた。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
五、六年前まであ、東京へ行った連中も旅費の外に小金を残して戻って来たが、去年あたりは、何だというじゃないか、旅費が出なかったてよ」「でも折角覚えた芸だで腐らせることもないよ、松つあん」と木之助は励ますようにいった。
— 新美南吉 『最後の胡弓弾き』 青空文庫
芸者は気敏く感付いたらしく、ちょっと旦那の肩をつき、「意気地がないねえ、こちらは、あんなお手々繋ぎに気持を腐らせるなんて、あたしなざ、一々こちらのようじゃ、毎日の商売は出来ませんさ。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その日は、人の心を腐らせるような、ジメジメと蒸暑い八月上旬のことで、やがて相川も飜訳の仕事を終って、そこへペンを投出した頃は、もう沮喪して了った。
— 島崎藤村 『並木』 青空文庫
何故かと言へば世問で言ふ、一體鑛業と云ふものは良くないもので、鑛毒は植物衞生に害があるのみならず人心を腐らせる、又た國益などゝは以ての外で、彼處は惡人の製造場だ、斯樣なものが栃木群馬に居るから、銅山を此外に起されては堪らない。
— 田中正造 『公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書』 青空文庫
何もあの小僧が居なけあ船が出ねえって理窟もあるめえし……お前んとこの船長がいくら変者だってそんな無鉄砲な酔狂をして乗組員を腐らせるような馬鹿でもあんめえ。
— 夢野久作 『難船小僧』 青空文庫
そりや精神まで腐らせるのはその者の意識の力が貧弱だからだ、つて言へばなるほど僕は一言もないが、しかし少くとも僕はこれもある意味では誠実に生きてゐるつもりなんだ。
— 北條民雄 『道化芝居』 青空文庫
卯の花を腐らせる雨に、気を病んで居る人々が作つた詞である。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
標準
to discourage