疑いの目
うたがいのめ
表現名詞
標準
suspicious glance
文例 · 用例
ここで自分は時々買い物をするが、そのたびにいつでも店員の中のあるものが一種の疑いの目をもって自分を注目しているような気がしたり、あるいは自分の美術に対する嗜好に同情をもっていないらしいある人たちのだれかが、不意に自分の肩をたたいて「相変わらずやってるね」とあびせかけられはしないかという気がする。
— 寺田寅彦 『丸善と三越』 青空文庫
掏摸に金をすられた肥った年増の顔、その密告によって疑いの目を見張る刑事の典型的な探偵づら、それからポーラを取られた意趣返しの機会をねらう悪漢フレッド、そういう顔が順々に現われるだけでそれをながめる観客は今までに起こって来た事件の行きさつを一つ一つありありと思い出させられる。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
」 清葉は思いがけず疑いの目を※って、「どうして、ねえ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
君は部屋をうろつき、死体のそばでひざまづき、そのあと部屋を横切り、台所の扉を調べ、そして――」 ジョン・ランスは驚きの形相で椅子から立ち上がり、疑いの目を向けてくる。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
大なる悟の前にはキット迷と疑いがあると同じに、芸術と云うものを或る一種の尊いものにするのには一度は各々が一つずつ芸術を抱えてそれを疑いの目を持ってでも迷ってでも研究して悪くはないと思う。
— 宮本百合子 『無題(二)』 青空文庫
ところがここに突然三津子の指紋が問題の空缶の上にあると分って、三津子に再び疑いの目が向けられることとはなった。
— 海野十三 『地獄の使者』 青空文庫
私をしてあなたに代わらしめたならば疑いの目、冷たい目、嫌厭の目を顔に浴びねばならない。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
そこで自然と疑いの目をもって世間を見ることともなります。
— 喜田貞吉 『融和促進』 青空文庫
作例 · 標準
例句