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念慮

ねんりょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
これに附帯しては、地震の破壊作用の結果として生ずる災害の直接あるいは間接な見聞によって得らるる雑多な非系統的な知識と、それに関する各自の利害の念慮や、社会的あるいは道徳的批判の構成等である。
寺田寅彦 地震雑感 青空文庫
この念慮を絶し、思詮を越えたる一実平等の世界の風光は、仏と仏とのみよく究尽し給うところのものである。
岡本かの子 阿難と呪術師の娘 青空文庫
き様|掬摸じゃろう、」とほとんど狂人に斉しい譫言を言ったけれども、梓はよく人を見て、この年少巡査があえて我を誣いんとする念慮のあるのでもなく、また罪人を悪む情が烈しいのでもなく、単に職務に熱誠であるため、自ら抑うることの出来ない血気に逸るのであることを知った。
泉鏡花 湯島詣 青空文庫
以上に説いた如く、第一に社會的、第二に個人對社會、及び社會對個人的、第三に個人的、此の三方面に於て疾病絶滅を希望するの念慮及び施設が十二分で有つたら、長い歳月の後に至り、十二分の學術及び經驗の效力によつて、或は人間に疾病を絶滅し得るかも知れぬ。
幸田露伴 努力論 青空文庫
然るに同じ女子の同じ寂寥の路を行くにも、若し其の女子が病母の危急に際して醫を聘せんが爲に、孝思甚だ深き餘り、たゞ速かに母の苦を救はんとするの念慮熾んにして走り、路次の寂寥をも意とする無くして行くとすれば、其のごとき場合を指して『氣が張つた』と人は言ふのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
以上に説いたように、第一に社会的、第二に個人対社会と社会対個人的、第三に個人的、この三方面に於いて疾病の絶滅を計画する念慮と施設が十二分であったなら、永い歳月の後には、十二分の学術および経験の効力によって、或いは人間は疾病を絶滅出来るかも知れない。
幸田露伴 努力論(現代訳) 青空文庫
』かく彼が言つてその眼光を僕の心の底深く投げた時、僕ははつと此奇異なる地底の人物が僕と昔容易ならぬ交情のあつた人物である事を意識しそれと共に『現在の彼』に対する責任と疑問と警戒の念慮が胸に湧き起つた。
村山槐多 殺人行者 青空文庫
わたくしたち兄弟はそれほどの念慮を此の一巻に籠め、厳粛に一つ憂を頒ち、切実に一つ歓びを感じたのであつた。
北原白秋 文庫版『雀の卵』覚書 青空文庫